【レビュー】数年ぶりにノートPCを購入『HP Pavilion Aero 13-be1000』(前編)

HP Pavilion Aero 13-be レビュー・前編

 PCはデスクトップ派なので、自宅では自作PCを使い、ノートPCは会社で仕方なく使う毎日でありました。Windows8が出たころに、興味本位でタブレットPCを買ったりもしましたがメインにはなり得ず。最近(私用で)電車移動が多いため時間を持て余す車内でも作業が出来るようにと、ノートPCを買おうといろいろ探していました。

 たまたま楽天のセールで見かけたこちらの商品が新機種発売前で10万円切り(ポイント付いて実質約8万円)、且つ1kg未満だったので(他の要因もありますが)即決となったわけです。

 前編では表面的なところ(スペックや外観など)や、一か月ほど使用しての感想などを書き連ねています。

特徴

 シリーズ三代を通してメーカーの推しているポイントは以下の通りです。

  • 質量約957gという軽さ(型番によります)と、ユニセックスなカラーバリエーション。
  • sRGBカバー率100%、400nitsの明るさをもつアスペクト比19:10(1920×1200)の液晶ディスプレイ。
  • スマートフォンと連携する専用アプリケーション。
  • 圧倒的なパフォーマンス、高いグラフィック性能、省電力性を兼ね備えたAMD Ryzenモバイルプロセッサー搭載。
  • バッテリーは最大10.5~12時間のロングライフ。45分の充電で50%回復できる急速充電。
日本HP公式オンラインストアHP Directplus

「エアロ」を体現する質量 1キロ以下の約957gの軽量ボディ。最新のAMD第4世代Ryzen 5000シリーズを搭載した…


スペック

 メーカー公称スペックは以下の通りです。先日発売された2000番台も載せています。今回購入したのは、1000番台のスタンダードプラスモデルG2(マゼンタマーカーのもの)です。

 以前はWindowsノートPCといえばIntel製CPUの独壇場でしたが、最近はAMD製APUを載せたノートPCを多く見かけるようになりました。ノートPC以外を見ても、PS5やXBOXにAMD製が採用されたりしています。

 メモリやストレージ、ディスプレイ、無線系などは一通り標準的な構成かなと思います。

※スペックの詳細は中編を予定しています。

シリーズ名 HP Pavilion Aero 13-be
番台 0000番台(G1) 1000番台(G2) 2000番台(G3)
CPU AMD
Ryzen5 5600U
Ryzen7 5800U
AMD
Ryzen5 5625U

6コア12スレッド
最大4.3Ghz
AMD
Ryzen7 5825U
8コア16スレッド
最大4.5Ghz
AMD
Ryzen5 7535U
6コア12スレッド
最大4.55Ghz
AMD
Ryzen7 7735U
8コア16スレッド
最大4.75Ghz
GPU RADEON Graphics(VEGA) RADEON 660M(RDNA2) RADEON 680M(RDNA2)
メモリー DDR4 3200Mhz LPDDR5 6400Mhz
8GB,16GB 8GB,16GB 16GB 8GB,16GB 16GB
ストレージ PCIe Gen3x4 NVMe SSD PCIe NVMe SSD
256GB,512GB 256GB,512GB 512GB 256GB,512GB 512GB
内蔵無線LAN他 IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6) IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6E)
Bluetooth 5.2 Bluetooth 5.3
ディスプレイ IPS 非光沢 13.3インチワイド
WUXGA(1920×1200)最大1677万色
USB USB 3.2 Gen1(5Gbps)/ Type-A x2
USB 3.2 Gen2(10Gbps)/ Type-C x1
(PowerDelivery対応、DisplayPort1.4、電源オフUSBチャージ機能対応)
その他
インターフェース
HDMI2.0出力端子 x1 HDMI2.1出力端子 x1
ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート ×1、ACプラグ
Windows Hello 指紋認証センサー
バッテリー リチウムイオンバッテリ (3セル / バッテリーファストチャージ機能対応)
バッテリー駆動時間 最大10.5時間 最大11時間 最大12時間
サイズ 約298×209×16.9(最薄部)-18.9(最厚部) mm
重量 Less than 1.0kg(約957g、[モデル、構成により異なる])

外観、サイズなど

A4サイズに1kg未満の軽さ


 横幅約30cm、天面から見るとA4クリアファイルよりほんの少し小さいサイズです。

 

 前後(画像では上下)にある長いゴム足でぐらつくことはありません。中央の穴は吸排気、音声は中央と左右下側の穴、そしてキーボード奥の吸排気口から聴こえます。

 

 手前の部分は『Σ型フォルム』と呼ばれる形状で、指が滑らず爪を引っかけることなく開けやすい形状になっています。

 実測で968g(*1)。当然、メモリやSSDの構成で変わりますが、いろんな方のレビューを見ると無線LAN・ディスプレイの型番が時期によって違う様なのでここも影響していそうです。

*1 SSDを2TBのものに換装しています。

普段使いに十分なインターフェース

 左右に1つずつUSB Type-A、左側にHDMI・USB Type-C・ヘッドホン/マイク端子、右側にACコネクタがあります。これで十分とは思いますが、手持ちの周辺機器の構成によってはハブを追加する必要があります。

 ACコネクタ以外にもType-C端子から充電をすることも出来ます。また、Type-C端子から別の機器へ充電してあげることも出来ます。

 

 底面の左右に約1cmほどの傾斜ついている形状のためか、Type-A端子の下半分にカバーがついています。差すときに下側に押し下げながら入れればよいので、慣れればなんてことはありません。

大き目のパッドとバックライト付きキーボード

 ノートPCのキーボードは緊急用としか考えていないため、あまり使ったことはないのですが、キーの大きさと間隔は一般的なキーボードとほぼ同じ寸法なため、手を置いたときに自然に打つことができました。ただ(これは好みかもしれませんが)、キーを押し込んだ時の感覚は若干重く感じられ、打鍵音も少し気になるかなと。特にSpaceキーとEnterキーが気になります。
 たびたび否定的な意見の出る右端のキー配置ですが、気になるのはBackSpaceとHomeくらいです。どうしてもだめな方は、「PowerToys」というMicrosoft純正アプリでキーアサインを変更できます。

 横幅の大き目なパッドがセンターにあるので、文字を打つときに右手の親指がパッドに当たることがあり少し気になります。もう少し左にあるか、Spaceキーと同じ幅くらいであればと感じました。
 キーボードのバックライトは文字部分が透過しています。消えると見えづらいのでここは印刷の方がよかったですね。

アスペクト比16:10(WUXGA 1920×1200)、sRGBカバー率100%、広視野角のIPS液晶ディスプレイ

 16:9のディスプレイと比べて、縦に少し(180ドット)広い画面です。Excelやブラウザーでの作業域が少しだけ広くなります。sRGBカバー率100%というのもとても大事です。作成した資料の色が表示するPC(ディスプレイ)で変わってしまうとニュアンスが変わってしまうことがあるので、すべてのディスプレイはsRGBカバー率100%にしてほしいですね。

 IPS方式の液晶を使っているので視野角がとても広く、斜めから見ても色の変化が少ないです。ただ、カフェや車内など見られたくない場所もありますが、この機種はプライバシーフィルター機能が無いので別途購入が必要です。

実際に外で使ってみて

キータッチなど

 仕事帰りに特急の車内で使用してみました。キータッチの音がやはり気になります。車体音やアナウンスで埋もれることなく、はっきり聞こえるので普段からキータッチが早めの人は要注意。また、キーを打った時の振動ですが、新幹線よりも揺れが大きいのでテーブルの上に置いて打っても前の座席の方には響かないかな?という感じ。ただし、敏感な方だと気になるかもしれません。一応、そんなこともあろうかと膝からももに乗せられるタイプのPCケースを購入しました。

 キーを見ないとちゃんと打てない人なので、やはりキーの文字は透過でなく印刷にしてほしかったなぁ…。車両や座る位置によって照明の当たり具合が変わるので、キーボードの照明を調整してもどこかしら見づらくなりました。

バッテリーの減り具合

 30分ほどの乗車でしたので測るのは難しいですが、この記事の入力とティザリングしての保存とページプレビューをしてバッテリー消費が7%ほど。単純にこの作業だけなら約7時間ほどバッテリーが持ちそうです。

普段使いに最適なモバイルノートPC

 ゲームをやりたい人、写真編集でAI系アプリを使ったり、動画編集やカラーグレーディングをしたい方にはおすすめしません。そもそもそういう方はノートPCなんて買わずに、デスクトップPCの購入をお勧めします。

 メインでガリガリ使い倒す目的ではないので、このクラスのスペックでも十分です。しばらく外回りは一緒に持ち歩こう思います。2000番台が発売されて1000番台の安い玉は減ってきていますので、今買うならRyzen7 7735U搭載モデルをお勧めします。