【レビュー】数年ぶりにノートPCを購入『HP Pavilion Aero 13-be1000』(後編)

前回のお話は...

高い性能とお求めやすい価格で大人気のHP Pavilion Aero 13-beシリーズ。今回はスペック表から掘り下げてみました。便利なアクセサリーも紹介しています。

HP Pavilion Aero 13-be レビュー・後編

 今までベンチマーク的なことはほとんどやってきませんでした。CPUやGPUのレビューと違いノートPCでベンチマークを取ろうとすると、電力やディスプレイ・ストレージ(ロットによって搭載されているものが違う)などの条件を合わせることが難しく比較する意味はあまりありません。

 とはいえ、購入する際になにかしらのお役に立てればと思い、前半は仕事で使用しているHPのノートPC(以下、EliteBook)との外見的な比較とプログラムによるベンチマーク、後半はこのPCでゲームを快適に遊ぶ設定を考えてみました。

下記の項目は意味が無いのでありません。

  • CPUベンチマークとか3D系ベンチマークとか
  •  比較できるPCが無いのと完成されたPCのレビューなので、1部品のベンチは意味がないでしょう。それを以てどの機種が優位と判定するのはナンセンス。CPUやGPUのレビューをするなら有用ですが。

  • PassMarkとかGeekとか
  •  比較できるPCが無いのと、これらの結果(と測定する項目)がこのPCを使用するにあたってどれほどの意味があるのか疑問。周りを見ると、ただ数値を載せているだけのところが多い(MemoryMarkの数値がやたらと低いのに、そこに誰も言及していない。低い理由は中編に載せています)。

  • 音測定
  •  カフェや電車内、教室など様々な条件下(場所や使用方法など)でやらないと意味がないかと。例えば、カフェなどでは環境音にかき消されて気にならないかもしれませんが、グリーン車で隣の席の方には煩いと思われるかもしれません。これが自室だけの単一条件下での測定が意味ないと思う理由(ちなみにノートPCに付いているファンはだいたいの機種でMAXになると煩いし、キーボードも早く打てば煩い)。

  • 本体の表面温度、キーの耐圧(?)検査
  •  これ、なんなのだろう。特に前者は、CPUの温度がここまで上がるからFANがこれだけうるさくなるよ、とか性能落ちるよ、的な指標とするならわかるのですが。触って暖かいが判断材料になるのかな?

日本HP公式オンラインストアHP Directplus

「エアロ」を体現する質量 1キロ以下の約957gの軽量ボディ。最新のAMD第4世代Ryzen 5000シリーズを搭載した…


『HP EliteBook 840 Aero G8』と比較する

シリーズ名 HP Pavilion Aero 13-be1000 HP Elitebook 840 Aero G8
CPU AMD
Ryzen5 5625U
6コア12スレッド 最大4.3Ghz
Intel
Core i7-1165G7
4コア8スレッド 最大4.7Ghz
GPU RADEON Graphics(VEGA 7) iris Xe Graphics
メモリー DDR4 3200Mhz 16GB
ストレージ PCIe Gen3x4 NVMe SSD PCIe NVMe SSD
512GB
内蔵無線LAN他 IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6E) IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)
Bluetooth 5.2 Bluetooth 5.0
ディスプレイ IPS 非光沢 13.3インチワイド
WUXGA(1920×1200)最大1677万色 400nits
IPS 非光沢 14インチワイド
FullHD(1920×1080)最大1677万色 1000nits
USB USB 3.2 Gen1(5Gbps)/ Type-A x2
USB 3.2 Gen2(10Gbps)/ Type-C x1
(PowerDelivery対応、DisplayPort1.4、電源オフUSBチャージ機能対応)
USB 3.2 Gen1(5Gbps)/ Type-A x2
Thunderbolt4(最大40Gbps) / Type-C x2
(PowerDelivery対応、外部モニター出力、外部機器充電対応)
その他
インターフェース
HDMI2.1出力端子 x1 HDMI2.0b出力端子 x1
ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート ×1、ACプラグ
セキュリティ機能 セキュリティロックホール、他多数
インプットデバイス バックライトキーボード(日本語配列)
イメージパッド (タッチジェスチャー対応) ポイントスティック、クリックパッド
(マルチタッチジェスチャー対応、物理ボタン付)
Windows Hello 指紋認証センサー
バッテリー リチウムイオンバッテリ (3セル / バッテリーファストチャージ機能対応)
44WHr(購入ロット)/ 45分で50%充電 53WHr / 30分で50%充電
バッテリー駆動時間
※Mobilemark2018
測定時
最大11時間 最大14.75時間
サイズ 約298×209×16.9(最薄部)-18.9(最厚部)mm 約322.5×215.0×17.9(最薄部、突起部含まず)mm
重量 約968g(購入ロット実測) 約1.13kg(モデル、構成により異なる)
価格
※HP DIRECT
希望販売価格
145,200円~ 231,000円~

素人目には、スペック的にあまり変わらないように思われ…

Pavilion Aero 13 be-1000

EliteBook 840 Aero G8

 そもそもCPUのアーキテクチャが違うのでコア数(Pavilionの方が多い)や周波数(EliteBookの方が高い)だけではすべてを測ることが出来ません。電力と発熱で制限がかかるので、Pavilionはすべてのコアが30%程度でしか動作していないのに周波数は1400Mhzで頭打ちになったりします。なので実際に使ってみないとわからない比較は置いといて、大きさや重さなど誰が見てもわかる比較をしていきます。

大きさと重さ

 Elitebookは、14インチ・16:9のディスプレイなのでPavilionよりも横長。A4サイズよりも大きいです。

 

 底面の四方はPavilionと同じに斜めにカットされています。排熱口は1/3程度の面積でしょうか。左右にスピーカーの穴がありませんが、Elitebookはキーボードの左右にあります。

 

 双方ともマグネシウム合金を使用、『Aero』を冠する通り軽さを売りにしています。EliteBookはPavilionよりも約150~160g重いです。数値を見る限り大した差ではないと感じますが、実際にそれぞれ両手に乗せるとPavilionの軽さがわかります。リュック型のビジネスバッグなどで持ち運ぶ時は誤差みたいなものですが。

キーボードやインターフェース

 キーボード部の横幅と奥行きにさほど違いはありません。アルファベットキーは双方1.5mm角ですが、最下段のCtrlキーなどはPavilionは横幅1.4mm、EliteBookは1.3mmと違いがあります。また、EliteBookには中央にポイントスティクがあり、横に広がったスペースにスピーカーを搭載しています。やっぱりPavilionのキートップの文字が見づらい…。

 

 Pavilionで縦並びになっているHomeやEnd・PageUp/Downは、EliteBookではカーソルキーに統合されてFnと同時押しで機能します。Ctrlキーなどが1mm細い分、カーソルキーの横幅も大きくなっています。Pavilionもこの方が日本受けしそうですね。

 

 EliteBookは左側にセキュリティロックスロット、Type-Aが2つ、ヘッドホン/マイク端子があります。
 Pavilionと同じく、開けやすい『Σ型(くの字型)』です。

 右側にはType-Cが2つ、HDMI端子、ACコネクタがあります。Type-Aの有線マウスを使いたいときは左側から廻すのでケーブル長に気を付けないと使いづらいです。

 

ExcelVBAを使った簡易ベンチマーク

 実作業でどのくらいの差が出るのか、ExcelVBAで簡易ベンチマークを書いてみました。よくある、シートの計算式が1つのセルの数値を変えるとすべてに再計算がかかるような状況のテストです。

  1. セルA1に1を記入。
  2. 縦方向に1つ上の数値に+1する計算式を記入(R[-1]C+1)。4000セル分。
  3. 横方向に1つ左の数値に+1する計算式を記入(RC[-1]+1)。4000セル分。
  4. 計算を手動にした後、セル範囲B2:EWV4000に1つ上1つ左の数値を足して0.1掛ける計算式を記入((R[-1]C+RC[-1])*0.1)。
  5. 計算を自動に。
  6. セルA1に3を記入。

※10回実施、②~⑥のそれぞれ掛かった時間の平均値を算出。

 AC接続時とバッテリー駆動で差が出るのは予測の内ですが、EliteBookがかなり落ち込んでいます。ただし、法人向けのセキュリティアプリケーションもインストールされているため、すべてのEliteBookでここまで差が出るかは不明です。どちらにしてもExcelを使うときはAC接続の時の方がレスポンスはよいということになります。
 PCMarkなどのベンチマークでスプレッドシートに関してはINTEL製CPUよりもAMD製CPUの方が数値が良い傾向にありますが、実際も数値現れています(ただし完成されたPCではすべてを同じ条件で検証できないので、この程度の違いか、と思っていただけると幸いです)。

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ゲームを快適に遊ぶ設定はこれだ!